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ALFAROMEO 156 - 目次

アルファロメオトップ
ALFAROMEO 156V6 Phase1
TAMRON SP AF17-50mm F/2.8 XR Di II LD Aspherical [IF]
F4.5 1/640s ISO400



基本事項 / General Information

整備・修理手続 / Repair Procedures

ALFAROMEO 156V6 Phase1

  • フロントパイプ交換方法- ARQRAY
  • エンドパイプ交換方法 - Fabril
  • エンジンフルード交換方法
  • Fabril破損
  • エアフィルタ交換方法
  • エンジンプラグ交換方法
  • ETCをダッシュボード裏に取り付ける
  • ポーレーンフィルタ交換方法
  • 車幅灯交換方法
  • HID設置

モディファイ / How to Tune Down & Modify

ネタ







過去のトップ写真

alfaromeo156_donadona.jpg
清く美しくハイサチュレーションなドナドナ
2006/11/18 3番気筒点火プラグコネクタの接触不良によるトラブル
alfaromeo_logo

ミッレフィオーリのフレグランスをアルファロメオに載せる


ミッレフィオーリフレグランスをアルファロメオに載せる
Millefiori
Natural Fragrances Series
003 Pompelmo / グレープフルーツ

最近ではかなりメジャーになったスティックフレグランス.スティックタイプのオリジナルはイタリアCulti社ですが,一般的に認知され始めたのはMillefiori社の圧倒的なラインナップによるところが大きいと思います.

どちらもエタノールを主成分としたフレグランスではありますが,天然成分を用いてハンドメイドで造られるCULTI社の香りは大変やわらかくて落ち着いた感じ.アロマリキッドも粘度が若干高い感じがします.一方で Millefiori社 のエントリーラインであるNatural Fragrances Seriesは,かなりはっきりとした刺激的な香り.アロマリキッドもサラサラで,香りが広がるのが早くて低価格.

まあ,何が言いたいのかというと,夏場高温になる車内におきっぱにしたり,ドアを頻繁に開け閉めして香りが車外に飛んでしまうなど即効性が求められる用途にはMirrefiori社のフレグランスの方がコスパ的にもリスク的にも安全だと,そういう話.003 Pompelmoのグレープフルーツの香りもわかりやすくていいし.

問題点

スティックフレグランスを車内に!この目的を達成するためにはいくつかの問題点をクリアせねばなりません.

  1. 置き場所
  2. 瓶だけならまだしもスティックはかなり長いため,高さを稼げるそれなりの場所が必要です.フロントウィンドウ下,リアウィンドウ下,センタートンネル...どこがいいでしょう?

  3. 揺れによる液体の漏れ
  4. アロマリキッドはさらさらのエタノール.スティックフレグランスの瓶の口は開いており,そこにスティックを刺しただけ.倒れればむろん液体はこぼれますし,急加速急停車でも厳しいところ.

  5. 夏場の高温
  6. いわずもがな.主成分がエタノールなので過度に揮発しないような対策が必要です.

解決策

  1. リアウィンドウの下に置く
  2. 瓶は台に固定する.台は何らかの方法で車内に固定する
  3. 瓶の口は密閉して液体が漏れないようにする
  4. 夏場の直射日光暴露試験を行う

ひとまずはこんなところで.このうちの3番は今回失敗したため,次回リベンジ.

ページ内目次

  1. 材料
  2. 土台の製作
  3. スティック部分の処理(失敗案その1)
  4. 結果:車内への設置

1.材料と工具

millefiori_alfaromeo_001.jpg
今回車内に置く予定の瓶.柑橘系の香り.Millefiori Natural Fragrances Seriesの,003 Pompelmo / グレープフルーツ

素材

    millefiori_alfaromeo_002.jpg
  • ハガキ用ヒノキ板(100x148mm)
  • 牛ヌメ革
  • ステンレスステー
  • フレグランス瓶

工具類

    millefiori_alfaromeo_003.jpg
  • エポキシ接着剤(Eセット)
  • バスボンドQ(シリコーン充填剤)
  • タッカー
  • タッカーの針(ステンレス)
  • 円形カッター
そのほか,写真には写っていないもので下記のものを使用しました.
  • エポキシパテ
  • リューター
  • 圧着用万力
  • プラスチック注射器(25ml)

2.土台の製作

  1. 木の板に革を巻いて土台をつくる
  2. millefiori_alfaromeo_008.jpg
    ハガキ板に合わせてヌメ革を切ります.瓶が載る部分は円形カッターで丸く切り取ります.直径は瓶の外径より1mmほど大きくしておきます.ヌメ革は板の裏側まで折り返します.そのため,板の厚みプラス糊しろ分大きめに裁断します.

    millefiori_alfaromeo_007.jpg
    板の厚みに合わせて,ヘラで革を折り曲げます.

    millefiori_alfaromeo_009.jpg
    エポキシ接着剤を準備.

    millefiori_alfaromeo_010.jpg
    主剤,硬化剤を等量押し出して,

    millefiori_alfaromeo_011.jpg
    よく混ぜます.この接着剤は90分で硬化開始し,8時間ほどで実用強度に達します.実質的な作業時間は1時間ほど.

    millefiori_alfaromeo_012.jpg
    革の裏にたっぷり塗ります.革が接着剤を吸い取るため,かなり多めに接着剤を準備しておきます.円形部分に塗ると接着剤がはみ出てみっともないため,底は塗らないでおきます.

    millefiori_alfaromeo_013.jpg
    木の板を置いて,

    millefiori_alfaromeo_014.jpg
    革を折り曲げてタッカーで固定します.

    millefiori_alfaromeo_015.jpg
    millefiori_alfaromeo_016.jpg ヌメ革の縁を狙ってタッカーの針を打っていきます.針は表側に飛び出さない程度の長さを選択します.また,針の材質はかならずステンレスを選択します.スチール針は錆びやすいので危険.

    millefiori_alfaromeo_017.jpg
    完成した表面です.綺麗に皮を張り付けることが出来ました.

  3. 瓶と土台を接着する
  4. 次に,瓶と土台とを接着する作業を行います.接着にはエポキシ接着剤を使用しますが,瓶の底はくぼみが有り,そのままだと密着性がよろしくありません.そこで,瓶の底をパテで平にして足付きをよくします.

    millefiori_alfaromeo_018.jpg
    エポキシパテです.主剤と硬化剤の2種を混ぜると硬化するのは接着剤と同じです.ただ,接着剤と違って固いので,かなり強い力で根気よく混ぜ合わせないと本来の強度が出ません.

    millefiori_alfaromeo_019.jpg
    がんばって5分ほど練りました.

    millefiori_alfaromeo_020.jpg
    瓶の底に埋め込みます..

    millefiori_alfaromeo_021.jpg
    硬化後にエポキシ接着剤を使って土台と貼り合わせるわけですが,接着剤の足付きが良くなるように,写真のように針で穴を沢山空けたりカッターで筋を入れておきます.

    millefiori_alfaromeo_022.jpg
    次に土台側の足付けを行います.土台は木の板なので,リューターで削ると足付け作業が早くて楽.

    millefiori_alfaromeo_023.jpg
    円形切削チップで削りました.見えるでしょうか?

    millefiori_alfaromeo_025.jpg
    足付けした土台と瓶をエポキシ接着剤で貼り合わせます.

    millefiori_alfaromeo_026.jpg
    くっつきました.すでにステーが付いていますが,以下で説明します.

  5. 車載用ステーをつける
  6. アルファロメオの後部ウィンドーに設置するためのステーを取り付けます.どうやって車載するかは後で説明.

    millefiori_alfaromeo_027.jpg
    ステンレスステーをエポキシ接着剤で貼り付けます.接着剤は豪快に垂らしましょう.

    millefiori_alfaromeo_028.jpg
    ステーが剥き出しだと内装を傷つけますし,何より精神衛生上良くないために上から革を張ります.革をエポキシ接着剤で貼り付けた後,タオルを当てて木っ端で挟み込みます.

    millefiori_alfaromeo_029.jpg
    一昼夜放置後.しっかりと革がつきました.

3.スティック部分の処理(失敗案その1)

フレグランススティックは通常,下写真のように瓶にそのまま刺した後で陶器のカバーを載せて運用します.部屋であればそれでもいいのですが,動く車の中だと急停車・急加速時にこぼれてしまって危険です.そのため,中身がこぼれないような処理が必要になります.以下に示す方法は,失敗案その1です.ある理由でボツになりました.理由は次回説明します.

millefiori_alfaromeo_030.jpg
このままでは不味い.

millefiori_alfaromeo_031.jpg
この口を何とかしたい.

millefiori_alfaromeo_032.jpg
今回は口の部分をシリコーン樹脂で充填することにしました.バスボンドQは本来風呂場の目どめ用ですが,シリコーン充填剤としても使用できます.

millefiori_alfaromeo_033.jpg
注射器の中にシリコーン剤を入れて押し出します.

millefiori_alfaromeo_034.jpg
スティックの間にぶち込みました.

millefiori_alfaromeo_035.jpg
こんな感じ.

millefiori_alfaromeo_037.jpg
このままでは陶器カバーを載っけられないので,天然ゴムスポンジでパッキンをつくります(これも失敗理由の一つ).

ミッレフィオーリフレグランスをアルファロメオに載せる
完成!!!

4.車内への設置

いよいよ車内へ設置.

millefiori_alfaromeo_038.jpg
設置する場所は此所.後部座席真ん中のヘッドレストの裏.

millefiori_alfaromeo_039.jpg
ヘッドレストを取ったところ.この段差にステーを差し込みます.

millefiori_alfaromeo_040.jpg
さて設置するぞ!




うむ.

スティックがぶつかって入りません.

millefiori_alfaromeo_041.jpg
ここまで切らないと入らないとは....
場所の選定を間違ったか?

millefiori_alfaromeo_042.jpg
ひとまず設置完了

millefiori_alfaromeo_043.jpg
車内から見るとこんな感じ

millefiori_alfaromeo_044.jpg
車外から.スティックが短くてちょっと間抜けですね...

次回

実は今回採用した「シリコーンで瓶の口をふさぐ方法」は大失敗でした.理由は....


想像できますね.

参考文献

CULTI
Millefiori/MILANO

立体版画2012 - 龍宮の遣い

立体版画2012
「龍宮の遣い」
2012年
石膏板彫刻(立体版画) 油性インク,生成和紙

「龍宮の遣い」は大地震の気配を察知すると,それを警告して回ってくれるありがたい御遣いですが,今回は一年ほど遅刻してしまったようです.デザインはリーフィーシードラゴンリュウグウノツカイから

リーフィーシードラゴン

リィーフィーシードラゴン
リーフィーシードラゴン(Leafy sea dragon・学名Phycodurus eques)
トゲウオ目・ヨウジウオ科・ヨウジウオ亜科.

オーストラリア南西部沿岸の浅い海に分布する.周囲の海藻に擬態しており,海藻そのもののような外見でよく知られた魚である.リーフィーシードラゴンが住む海域はいくつもの海流がぶつかり合っている場所であり,多くの天敵を含む様々な生物が住む場所となっている.また海藻も多いため,海藻に擬態して天敵の目をごまかすのである.

生態は他のヨウジウオ科魚類とほぼ同じで,筒状の口から比較的大型の動物プランクトンや小魚を海水ごと吸い込んで捕食する.メスは卵をオスの育児嚢に産みつける.オスは稚魚が自分で泳げるようになるまで育児嚢の中で卵や稚魚を守る.この育児嚢はタツノオトシゴのように完全な袋状になるのではなく,ヨウジウオと同様に皮膚の襞の間のくぼみに卵塊を保持する様式であるため,育児中の雄の腹部に付着した卵塊を外から観察することができる.卵を守る時は側面にある,棘を盾にして守る.さらに卵そのものに本物の海藻をはやしてカモフラージュする.

wikipediaより

龍宮の遣い

リュウグウノツカイ
リュウグウノツカイ(竜宮の遣い、学名:Regalecus glesne syn. Regalecus russelii)
アカマンボウ目リュウグウノツカイ科

リュウグウノツカイは太平洋・インド洋・大西洋など,世界中の海の外洋に幅広く分布する.海底から離れた中層を漂い,群れを作らずに単独で生活する深海魚である.本来の生息域は陸から離れた外洋の深海であり,人前に姿を現すことは滅多にないが,特徴的な姿は図鑑などでよく知られている.実際に生きて泳いでいる姿を撮影した映像記録は非常に乏しく,生態についてはほとんどわかっていない.通常は全身をほとんど直立させた状態で静止しており,移動するときには体を斜めに傾け,長い背鰭を波打たせるようにして泳ぐと考えられている.

食性は胃内容物の調査によりプランクトン食性と推測され,オキアミなどの甲殻類を主に捕食している.本種は5mを超えることもある大型の魚類であり,外洋性のサメ類を除き捕食されることは稀とみられる.卵は浮性卵で,海中を浮遊しながら発生し,孵化後の仔魚は外洋の海面近くでプランクトンを餌として成長する.稚魚は成長に従って水深200-1000mほどの,深海の中層へ移動するとみられる.

wikipediaより

目次 : 西ドイツの幻想 - ザッセンハウスコーヒーミル


ザッセンハウス集合写真
TAMRON SP AF17-50mm F/2.8 XR Di II LD Aspherical [IF]
F3.5 1/30 ISO500

下記の一連のレポートは,ザッセンハウス製品の目利,落札,分解,調整,改造を目的としています.

基本事項 / General information

  • はじめに - Zassenhausとは?
  • ミルの基本構造
  • 時代ごとの刃の比較
  • どれを買うべきか?(購入のための判断指標提示)
  • ザッセンハウスコーヒーミルの基本構造
  • 年代ごとに見る刃の違い
  • CAD data
  • 169の構造と比較
  • 154の構造と比較

修理&整備手続 / Repair & Maintenance procedures

  • 169-G の整備
  • 169-WG の整備
  • 169-US1 の整備
  • 169-US2 の整備
  • 169-Mellita の整備
  • 154MA-WG の整備
  • 154MA-W の整備
  • 151MA-WG の整備
  • 175M の整備
  • 175US1 の整備
  • 175US2 の整備
  • 補修部品一覧
  • 真鍮磨きについて
  • ザッセンハウスの真鍮部品は酸化防止用のクリアー塗装が施されている.コンパウンドでクリア層を剥がし,真鍮本来のブラスな色に.真鍮の酸化膜は黄色.銀は黒くくすむが,真鍮は鮮やかな黄色に.酸化が進むと色がどんどん深くなる.

  • ネジの交換
  • 平ワッシャーの交換
  • 調節つまみ回転防止用デカップリングの保護のため,平ワッシャーをいれる

  • ステインの塗り直し
  • 木部ダメージの補修
  • 乾燥による歪みの補修

改造手続 / Modification procedures

  • 169-WGにクレマス時代の刃を移植
  • 刃の移植とネジ底上げ
  • スタビライザーの製作 - メリタ時代の負の遺産をなんとかする
  • 154のホッパーカバーワッシャー追加
  • ホッパーカバー根元の天板が傷つかないようにワッシャーを追加する.

  • 154の留め金作成
  • 天板がホッパーで傷つかないように,留め金を改造する.

  • ニコイチ
  • サンコイチ

次−> 【はじめに - Zassenhausとは?】

ザッセンハウスミルの基本構造 - zassenhaus

ザッセンハウス製品の目利,落札,分解,調整,改造
ZASSENHAUS - コンテンツ一覧

ザッセンハウスミルの基本構造 - the basic structure of a zassenhaus mill
各部品とその名前の定義
  • ホッパー
  • コーヒー豆をためてミルへ送り込む部分

  • 粗さ調節つまみ
  • コーヒーを挽く際の細かさを調節するねじ

  • 心棒
  • ハンドルの回転トルクを刃に伝達する

  • 上刃(外刃)
  • すり鉢状の刃.本体に固定されており動かない.

  • 下刃(内刃)
  • 円錐状の刃.心棒とつながっており回転する.刃はスクリューのように螺旋を描いており,ホッパーの豆を下に送りこむ機能と豆を挽く機能の2つの機能を持つ.螺旋部の歯の構造が年代により異なる.コーヒーミルの切削性能を決める重要な部品.

  • スタビライザー
  • 下刃ががたつかないように芯出しするための部品.この部品の精度により豆を均一に挽くことができるかどうかが決定する.年代によって構造や精度が違う.アンティークミルを購入する際の決め手となる.

  • 上刃ハウジング
  • 上刃を本体に固定するための部品.樹脂製.

  • 引き出し
  • 挽いた粉を受ける部分.ザッセンの引き出しは容量が少ないものが多く,ホッパー部に入れた豆を全て受け止めることができない.30g〜40g程度しかはいらないものが多い.

下刃が最も重要な部品.下刃は心棒にねじ込まれている.心棒は上下二カ所で固定・芯出しされる.心棒の芯出しは,上部は粗さ調節つまみ部分で,下部はスタビライザーが下刃を押さえることで行われている.スタビライザーは上刃ハウジングと一体になっている.よってスタビライザーが下刃を押さえて適切に芯出ししている限り,上刃と下刃はぶつからない.逆に言えば,スタビライザーと下刃とに隙間がありクリアランスが甘い状態だと上刃と下刃がぶつかってうまく豆が削れない.

この構造はザッセンハウス社製品すべてに共通する(携帯ミルである175を除く).よって,個体の良し悪しは,

  • 刃の切削精度
  • 心棒の軸中心精度
  • スタビライザーのクリアランス

の3点でほぼ決定する.特に1,2はモデルや生産年でほぼ決まるため,個体差として気をつけなければならないのは3である.次章では筆者が所有するミルを分解し,【下刃】,【上刃】,【スタビライザー】の精度・構造を比較検討する.


次−> 時代ごとの刃の比較


はじめに - Zassenhausとは?

ザッセンハウス製品の目利,落札,分解,調整,改造
ZASSENHAUS - コンテンツ一覧

ザッセンハウス集合写真
TAMRON SP AF17-50mm F/2.8 XR Di II LD Aspherical [IF]
F3.5 1/30 ISO500

Q:
なぜゆえザッセンハウス(zassenhaus)に拘るのか?
A:
ミル部の精度が良く切れ味鋭い刃が付いているため,コーヒーグラウンドを均一に挽くことができる.微粉も少ない.さらに熱も発生しないため粉の劣化が最小限におさえられるから.

ザッセンハウス社(zassenhaus)は1867年創業以来,挽くことにこだわりコーヒーミルやペッパーミルを作り続けてきたドイツの老舗ミルメーカー.ミル刃や筐体の設計・構造の良さはもちろんのこと,職人が一つ一つ手作りで仕上げることもあり世界一とも噂されるミルを作り続けてきた.

ザッセンハウスミルの下刃(burr) その秘密は擂り臼方式と呼ばれる構造にある.通常の手挽きミルの刃は鋳鉄やセラミックを用いている.刃先が鋭くないため石臼のように磨り潰すことになるが,ザッセンハウスのミルでは鋭い刃で豆を細かく切り刻む.円錐形の特殊鋼製の刃は大変鋭く,挽く際には摩擦熱による劣化を最小限に抑えてくれる.ミル刃は軸が固定されており,ひとたびコーヒー豆を挽けば均質で微粉が少ないクオリティの高いコーヒーグラウンドが得られる.粗さネジを調整することでエスプレッソまで対応できる.これは国内のメーカーにはない特徴. 国内の手挽きミルはほとんどが鋳鉄製で軸中心もでないものが多い.最近ではプジョー製のミルも人気が出てきているが,刃の精度はザッセンハウスが段違いに良いし微粉もより少なく挽くことが出来る.ミル部の構造は#175を除き,型式によらずほぼ同じ構造である.しかし部品の精度や組み付け方法は,型式や年代により異なる.

アンティークコレクター魂とコーヒーマニア魂を共にくすぐるザッセンハウス

ドイツ製品というと質実剛健というイメージがあるが,ザッセンハウス製品はアンティーク調なデザインで趣がある.筐体はクルミ材やマホガニー*1などの銘木を使用しており,アンティーク製品としてみても大変品質が高い.特に古い年代のものは木材の品質が高くおすすめである.モデルラインナップも豊富で様々なデザイン/形状の製品が発売されている.また,同時代の同一型番製品でも使用する銘木やフィニッシュを変えたバリエーションが数多く存在する.ハンドルやプレートなどの装飾なども微妙な差異がある.ここらへんがアンティークコレクター魂を盛大にくすぐられる要素の一つである.

*1) かなり古い製品のみ.現在ではマホガニーの伐採はワシントン条約で禁じられているため,MA(マホガニー)と型番がついている場合,クルミ材にマホガニー風のステイン仕上げがされている製品を指す.

良質のザッセンハウス製品を購入することは難しくなっている

残念ながらこの老舗メーカー,2006年に一度倒産してしまった.うわさでは,筐体用に高品質の木材を納品していた業者が倒産し,同一品質の木材を仕入れられなくなったことが原因らしい.現在では会社更生法により別資本で復活しているが,ミル刃・筐体共に以前ほどの品質は望めないようである.そのためにオークション市場では新品中古問わず定価の数倍に高騰した.特に西ドイツ時代のオールドザッセンは人気があり,日本のアンティーク業者が世界中のオールドザッセンハウスを根こそぎ買い占めているようである(筆者も大量に個人輸入したことがあるため人のことはいえない).オールドザッセンの市場価格は倒産直後(2006/12〜2008/8頃)には6,7倍まで相場が高騰した.しかしながら会社復活後は相場も安定してきている.それでもオールドザッセンの場合には1.5倍〜2倍程度が相場であることが多い*2. ザッセンハウス製品は刃が命.ミル部の基本的な構造は型番によらずほぼ一緒なのだが,実は時代によりミル部の精度や作りが微妙に異なる.そのため,オークションページの限られた写真からではどの時代のどの仕様のザッセンハウスかを判断することは難しい.

*2) 震災後はオールド熱も冷めたのか,かなり値段が安定してきている.物やタイミングにもよるが,おおむね定価以下で買えるようである.良い時代になったものだ.

本レポート群の目的

一連のレポートの目的は,オールドザッセンを如何に仕入れ,如何にメンテナンスするかの方法論を伝えることにある.ポイントは下記の通りである.

  • 各年代の製品の違い

    西ドイツ製の個体がドイツ統一後及び2006年製よりできがいいのは本当か?

  • 型式による構造・性能の違い
  • 外観が違うだけでミル刃構造は同じだというのは本当か?

  • ベストバイはどれか?
  • コーヒーミルとして最も出来が良いのは?

  • 目利きの仕方について
  • オークション出品写真のどこを見ればよいか?

  • 調整・改造方法について
  • ミルをよりよく使うための調整方法及び改造方法は?


次−> 【ザッセンハウスミルの基本構造】


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